交通事故でケガをしたらこれだけは知っておきたい補償の知識

交通事故の保険について

※この記事は5分くらいで読めます

~はじめに~自賠責保険とは

みなさんは交通事故でケガを負ってしまった場合に使える保険「自賠責保険」をご存じですか?

車に乗っている方全員が加入を義務付けられている保険です。

車検時などに自賠責保険料として支払っていると思いますが、その中身まではよく分からないという方が多いと思います。

 そこで今回は、自賠責保険の補償の中身、特にケガをしてしまった場合によく使う傷害の部分のみに絞って解説していこうと思います。

 全てを覚える必要はありませんが、自分に関係する部分・関心がある部分がありましたら、その項目だけでもご覧になってみて下さい。

自賠責保険の補償内容

自賠責保険のケガの補償はいくらが限度?

自動車事故によって負傷してしまった場合、相手の車の自賠責保険から

・治療費

・休業補償

・通院交通費

・慰謝料

・看護料

などの補償が受けられます。

支払いの限度は全部込みで被害者の方1名につき、120万円までとなっています。

では、内容を1つ1つ見ていきましょう。

治療費について

整形外科・病院の治療費、お薬や湿布、整骨院の施術代などが保険より支払われますので、患者様の負担は0円です。安心して治療に専念できますね。

休業補償について

交通事故でケガを負った事によって、仕方なく仕事を休まなくてはならなくなった場合、本来もらえるはずだった給料分の損失を埋め合わせる目的で休業補償が受けられます。

自賠責保険での基本的な計算式は

・休業日数×5700円

で計算されます。

ただし、1日あたりの収入が5700円を超えることを証明できれば、1日19000円までを限度に支払われます。

以下、具体的に説明していきましょう。

会社にお勤めの方(サラリーマン)

会社勤めの方は、自分のお勤めしている会社に「休業損害証明書」というものを書いてもらい、それを相手加害者の保険会社に送ります。

計算方法としては、事故前の3ヶ月分(90日分)の収入を90で割り、1日分を計算します。

1日分の平均収入が出たら、休んだ日数を掛けて計算していきます。

自営業(個人事業主)の方

前年度の確定申告書等で年間の収入を計算し、365日で割って1日あたりの平均収入を出します。

そこから、休んだ日数を掛けて計算します。

専業主婦の方

専業主婦の方でも、上でご紹介した自賠責保険の計算式である

休んだ日数×5700円

で計算していきます。

家事ができない期間が対象になりますので、保険会社、医師、自分の3者での話し合いで期間を決めていく形が多いでしょう。

パート・アルバイトの方

パート・アルバイトの方も、バイト先の会社に「休業損害証明書」を書いてもらいます。

実際に休んだ分の時給分を請求していく形になります。

仕事をしていない方

事故にあった時に仕事に就いていない場合は、基本的に休業損害の請求はできないと思った方がいいでしょう。

通院交通費について

高崎市にあるなかむら整骨院では車で来られる患者様がほとんどですので、車の例を取ってお話をしていきます。

ガソリン代として、1kmあたり15円になります。

また、高速道路を利用した場合、有料駐車場に止めないといけない場合の実費も認められます。

ただし、高速道路を使ってでも遠いその病院に行く理由をしっかり説明していく事が必要です。

傷害慰謝料について

傷害慰謝料とは、交通事故の被害者の方が、痛みによる苦痛や、本来必要のない通院をする無駄な時間を精神的損害と捉え、お金に換算したものです。

慰謝料の計算例

自賠責保険の基準では、

・全治療期間

・実通院日数(通院した回数)×2

 

この2つの日数を比べて、少ない方に4200円を掛けて計算します。

 

例として

通院2ヶ月(日数60日間)、その間に治療に行った回数が25回の場合

60日と回数(25回×2=50)を比べて60>50となり、50の方が小さいので50を採用します。

計算としては、

4200円×50=210000円

となります。

付き添い看護費について

付き添いをする人を雇った場合など、必要な実費が認められます。

入院付き添い費、通院付き添い費などがあり、基本的に付き添いの必要を医師が認めた場合に限られます。

また、近親者(被害者の母親など)の入院による付き添いの場合は1日4100円、通院に際しての付き添いは1日につき2050円となっています。

 ただ、被害者の方のケガの程度や年齢など様々な点を考慮して決めていく事になるでしょう。

注意!自賠責保険が使えないケースもある!

ここまで自賠責保険が使える事を前提に補償の内容を書いてきましたが、実は使えないケースも存在します。

後でしまったとならないために、ここでおさらいしておきましょう。

主なものを3つ上げてみます。

自損事故を起こしてしまったケース①

車の所有者Aさんが1人で運転していて、ハンドル操作を誤り電柱に激突して自損事故を起こしてしまった場合です。Aさん所有の車に掛けている自賠責保険は、所有者本人、又は運転手には使用することができません。

交差点にて信号無視をしてしまったケース②

Aさんが信号無視で交差点に進入したため、青信号側から来たBさん運転の車と衝突事故を起こしてしまった場合です。信号無視のほとんどの場合はAさん側が過失100%です。

この場合、Bさんの自賠責保険からAさんの補償が下りることは難しいでしょう。

自分の車を友人が運転したケース③

Aさん所有の車にAさんとCさんが乗っています。最初Aさんが運転していましたが、途中で眠くなったため、Cさんと運転を変わる事にしました。

そこで慣れない車を運転したCさんは、ちょっと気を抜いた瞬間に止まっていた前の車に追突してしまいました。

この場合、Aさんは車の所有者でありその車の自賠責保険加入者なので、保険が使えず、運転者Cも自賠責保険が使えないので、Aさん・Cさん2人とも使えないという事になります。

 

稀なケースではありますが、自賠責保険の期限切れで使えないというケースもあります。しっかり確認していきましょう。

まとめ

強制加入が義務付けられている自賠責保険は、決して万能ではありません。万が一という時の為に、任意保険にしっかりと加入し、相手・自分自身・家族をしっかり守っていきましょう。

 また、任意保険(自動車保険)については、

 

「任意保険(自動車保険)の中身を正しく知ろう!これだけは押さえておきたい5つのポイント」

こちらのページにて分かりやすく書いていますので、あなたが任意保険の補償内容を考える際の参考にして頂ければと思います。

 

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